【おしらせ】「未知との遭遇」を生み出すリアル店舗の売場づくりを解説しました

2026年4月1日に、リアル店舗の売場づくりの背後にある意図などを解説するコラムが、ecActionで公開されました。
「未知との遭遇」を生み出すリアル店舗の売場づくり――EC設計へのヒント(2026.04.01)
以下はリード文です。
朝食用のシリアルと牛乳だけを買うつもりでスーパーマーケットに入ったのに、店を出る頃にはエコバッグがずっしり――そんな経験はありませんか。
実は、スーパーマーケットで購入される商品の7割以上は、あらかじめ予定されていなかった「非計画購買」によるものであることが知られています。食生活や小売業を取り巻く環境が大きく変化してきたにもかかわらず、1980年代から現在まで、この傾向は大きくは変わっていません※1。
店内を歩きながら、目に留まった商品をついカゴに入れてしまう。こうした購買行動は、ごく自然に起きているように見えます。しかし、その背後には、スーパーマーケットが長年にわたって磨き上げてきた「売場づくり」の工夫が存在しています。思わずもう一品手に取りたくなるような仕掛けが、店内の随所にちりばめられているのです。
こうした考え方は、スーパーマーケットに限ったものではありません。書店やコンビニエンスストアなど、多くのリアル店舗が、顧客の購買行動の理解をもとに売場を設計しています。
本稿では、こうしたリアル店舗の売場づくりをひもときながら、その考え方がECサイト設計にどのような示唆を与えるのかを考えていきます。
出所:鈴木雄高「『未知との遭遇』を生み出すリアル店舗の売場づくり――EC設計へのヒント」(ecAction,2026年4月1日公開)
スーパーマーケットで購入された商品の多くは、「非計画購買」されたものである、という話を聞いたことがあるかもしれません。これは本当の話です。
私は、何度もスーパーマーケット(のみならず、ドラッグストアやコンビニエンスストアも含みますが)店頭で、来店されたお客様に対して実施する調査を設計・集計・分析していますが(最初に携わったのは17年前のことでした)、どの調査でも、「非計画購買」商品の数が、「計画購買」商品の数を上回っていました。
圧倒的に「計画購買」が多いECサイトとは対照的ですね。
リアル店舗で「非計画購買」が多く発生しているのは、事前に(来店前に)買う商品を厳密に決めていないという消費者の行動特性に由来しますが、それに加え、店舗の売場づくりに、「非計画購買」を促すような工夫が施されていることによる影響も大きいといえます。
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冒頭の画像は、スーパーマーケットの店内の入り口から入った人が、外周沿いの通路を時計回りに歩いて移動する様子を模式化したものです。
隅(角)に描かれた四角は以下で解説した「マグネット」に当たる売場です。
ポイント2.「4つのマグネット」――献立を自然に組み立てる仕組み
スーパーマーケットでは、外周沿いに、入口から順に、青果、鮮魚、精肉、乳製品といった主要なカテゴリーの売場が配置されています。
これらはいずれも、多くの顧客があらかじめ購入を予定しているカテゴリーであり、顧客が磁石に吸い寄せられるように、次々と売場に立ち寄る「マグネット」として機能しています。フロアの四隅にこうした強力なマグネットを配置することで、本来は自由に歩き回れるはずの顧客の多くが、自然と外周沿いを回遊するようになります。
外周沿いを歩きながら主要な売場に立ち寄ることで、売場を一巡するなかで自然とその日の献立が組み立てられていく――そのような設計になっています。
出所:鈴木雄高「『未知との遭遇』を生み出すリアル店舗の売場づくり――EC設計へのヒント」(ecAction,2026年4月1日公開)
多くの来店者が立ち寄るカテゴリーを、四隅に分散配置することで、外周沿いを歩く消費者が多くなるわけですね。記事では、これに加え、「エンド」での施策や、「定番売場」の棚割(たなわり)などを丁寧に説明しています。
また、ECサイトを設計する際に、リアル店舗の売場づくりが参考になるということも書いています。
是非、読んでみてください。
「未知との遭遇」を生み出すリアル店舗の売場づくり――EC設計へのヒント(2026.04.01)
https://ecact.jp/retail-to-ec/
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〈備考〉
※1:鈴木雄高(2016)「店内における消費者購買行動の基礎知識」公益財団法人流通経済研究所(編)『インストア・マーチャンダイジング〈第2版〉』日本経済新聞出版社, p.24-50.

