【コラム】ダイエーいちかわコルトンプラザ店の閉店による他店への影響

2025年8月31日の20時30分、「ダイエー いちかわコルトンプラザ店」(市川市鬼高)が閉店しました。これまで何度も当サイトで取り上げてきた同店の閉店が、ついに現実となったのです。
市川市を代表する商業施設、ニッケコルトンプラザの核テナントだった、株式会社ダイエーが運営してきた店舗(前身の「いちかわプランタン」と後継の「ダイエーいちかわコルトンプラザ店」)が、遂に、その長い歴史に終止符を打ったのです。
今、長い歴史と書きましたが、開店から閉店までの日数は、13,429日です。36年9か月と7日!とても長い時間ですね。
下の2枚の写真は、市川マーケティング研究所の代表を務める鈴木雄高が、同店の閉店の瞬間を見届けるべく現場に赴いた際の撮影したものです。


ダイエーいちかわコルトンプラザ店(以下、「コルトンのダイエー」に関わってこられた皆様、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました!
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ところで、私は、ダイエーいちかわコルトンプラザ店が閉店した翌日、「西友本八幡店」に赴きました。
西友と言えば、少し前に執筆した記事で取り上げましたが(以下のリンク先、ecActionの記事です)、経営体制がしばしば変わることで知られていますね。現在は、トライアルホールディングスの子会社です。
西友本八幡店の入り口付近には、下の写真にある看板が立てられており、西友がトライアルホールディングスに買収されて子会社化された(とは書かれていませんが、その)ことを来店客に伝えていました。

さて、私は2025年9月1日、つまり、ダイエーいちかわコルトンプラザ店が閉店した翌日であり、市川マーケティング研究所が活動を始めてから、1年が経過して2年目に突入した、まさにその日の夕方に、西友本八幡店に買物をしに行ったのでした。
普段、同店を頻繁に利用するわけではないのですが、有人レジも無人レジも、待ち行列の長さがスネーキー(蛇のように長い様を表す。筆者独自の表現)だと感じました。行列に並んで待つことがとても苦手な私は、西友で買物をすることをあきらめて、近くにある「まいばすけっと本八幡駅前店」に向かい、レジ待ち時間ゼロ秒というストレスのない買物をすることができたのです。
後から振り返ると、コルトンのダイエーが閉店したため、普段、そこで買物をしていた人の一部が、西友本八幡店で買物をしていたのかもしれません。そのため、普段以上に混んでいた可能性があります。「普段」の混雑具合を知らないので、あくまでも仮説にすぎませんが。
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生鮮食品を含む各種の飲食料品を中心に品ぞろえするスーパーマーケット(あるいは食品スーパー)や、食品や日用品以外にも衣料品や家具、電気製品なども扱う総合スーパーは、近隣住民の食生活を支える存在です。
これらの代わりを、コンビニエンスストアやドラッグストアが果たしているケースもありますし、一部のドラッグストア企業は、「フード&ドラッグ」と呼ばれるような、食品の扱いを強化した店舗を展開して人気を博しています。とはいえ、食品スーパーや総合スーパーこそが、地域の食のライフラインとなっているケースが、今でも多いと思われます。
さて、コルトンのダイエーが閉店しました。同店の跡地は、管轄企業がダイエーと同じイオンのグループ会社、イオンリテールに変わり、恐らく、「イオンスタイル市川コルトンプラザ」という名の店舗が新たにできます。
新店の開店日は、現在のところ、未定です。私は、10月1日よりは遅くなるのではないかと見ております。
ということは、1か月ないしそれ以上の期間、日々の食事の材料などをコルトンのダイエーで買っていた人の多くが、別の店舗でそれらを買うか、ネット通販や生協宅配などを利用して購入することになるはずです。中には、これを機に、食事を手作りするのをやめ、あるいは減らし、コンビニエンスストアの弁当や外食、あるいはUberEatsなどの出前類似サービスの多用へと、行動を変える人もいるかもしれません。
が、最も多いのは、他のスーパーマーケット(や、それに類似した小売業態)の店舗で買物をする、と行動を変化させる人だと思われます。
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そこで、コルトンのダイエーの周辺には、どのようなスーパーマーケット(や、それに類似した小売業態)の店舗があるかを確認してみました。
以下に挙げる店舗は、コルトンのダイエーが閉店し、イオンスタイル市川コルトンプラザなる新店が開店するまでの間、行きつけのスーパーマーケットを失った人の受け皿となりうるでしょう。需要を獲得する好機です。
この間、店舗を利用してもらえたならば、たとえイオン開店後に離脱されたとしても、たまにはその店舗を利用してくれるかもしれませんし、その店舗を気に入った人は、イオンではなくその店舗が、新たな行きつけのスーパーマーケットになる、という可能性さえあります。
では、見てみましょう。各店舗の名前と共に、コルトンのダイエー(コルトンプラザの下総中山駅側の出入口辺り)から、徒歩で何分かかるか、距離は何mないし何kmあるか、という数字を記します。
①下総中山駅方面
- 西友下総中山店 11分 750m
- マルエツ下総中山店 14分 1.0km
- アイサダ 15分 1.1km
- マルエツ東中山店 22分 1.6km
②本八幡駅方面
- 西友本八幡店 16分 1.2km
- クイーンズ伊勢丹本八幡店 16分 1.2km
- MEGAドン・キホーテ本八幡店 17分 1.2km
- まいばすけっと本八幡駅前店 18分 1.3km
- オーケー本八幡店 20分 1.4km
- カスミフードスクエア本八幡店 20分 1.4km
- ダイエー市川大和田店 24分 1.7km
③産業道路・京葉道路方面
- コープ市川店 14分 1.0km
- スーパーベルクス 16分 1.1km
- ヤオコー市川田尻店 17分 1.2km
- オーケー市川田尻店 19分 1.4km
④その他
- ワイズマート北方店 18分 1.2km
※コルトンプラザ内の紀伊国屋は生鮮を販売していないため対象外です。コンビニエンスストア、ドラッグストアも対象外です。
※GoogleMAPを使用して調べました。複数のルートが表示される場合は、原則として時間が短いものを採用していますが、必ずしもそうとは限りません。なお、経路検索の始点は、コルトンの旧ダイエー側にある、みずほ銀行ATMとしました。
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ヌケモレがあるかもしれませんが、コルトンのダイエー(コルトンプラザの下総中山駅側の出入口)から、1km圏内には、スーパーマーケット類の店舗は、唯一、西友下総中山店があるだけ、のようですね。
イオンの新店が開店するまでの間、これらの店舗の中で、どの店舗が、コルトンのダイエーを行きつけとして利用していた人たちの需要の受け皿となるのか、イオン開店後、受け皿となった店舗から、その需要は(一時、大地を潤してくれた雨が、蒸発して消えてしまうかのように)失われてしまうのか。
「注目に値します」と、書こうと思いましたが、注目したくても注目することは難しいので(不可能ではありませんが)、「気になるところです」くらいの書きぶりがよさそうです。もはや本稿はコラムではなくなっていますが、気にしないでください。
最後に、上で挙げた店舗リストを画像にしたものを置いておきます。

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コルトンのダイエーが約37年の歴史を終えた日、市川マーケティング研究所は、ようやく活動を始めて最初の1年の最終日を迎えました。当研究所は、現在、2年目に入ったところです。
やりたいことや、やってみたいことはたくさんありますが、限られた資源をもとに活動しているため、進みは遅いです。目の前の案件に対応しながら、今後の事業計画を練ったり、練り直したりもする必要があります。楽ではないですが、この活動は、とても面白いです。
この1年間で携わってきた案件の種類などを、先日、この記事に書きましたので、市川マーケティング研究所ではどのようなことをしているのか、興味をお持ちの方は、是非、ご一読いただければ幸いです。
こんなことをしてきました、という、上の記事に載せた内容を画像にしたので、置いておきます。

2年目は新機軸を打ち出していく予定です。ご期待ください。引き続き、よろしくお願いいたします。