【コラム】「うちの売りはこれ!」という自信を感じるスーパーマーケットのフロアレイアウト

今月のある日(西船橋駅前で)
西船橋駅前のスーパーマーケットに入店したところ、なかなか他店では見ないようなレイアウトでした。
外周ワンウェイで入口から対角のフロア奥まで、抜け道がほとんどないL字路を、半ば強制的に歩かされるも、売場面積が広くないことに加え、通路両側の売場に並ぶ、青果や精肉、冷凍食品などの品ぞろえが魅力的で、飽きることなく歩けました。
このチェーンの店舗は市川市内にもあるので、そちらの店舗のレイアウトも見てみたくなりました。
その翌日(行徳駅の近くで)
市川市内、東京メトロ東西線の行徳駅の近くにある同チェーンの店舗に赴き、買物をしました。支払いは、市川市のデジタル地域通貨ICHICOで。
西船橋店と似たワンウェイコントロールの売場レイアウトでした。今時珍しいレイアウトです。
顧客(ショッパー)の移動の自由が制限されるため、最近はこの種のレイアウトは減っているように思いますが、前日に見た店も、こちらの店も、いずれも賑わっていて、厚い支持を得ている印象です。
「うちの売りはこれ!」と言い切る強さ
西船橋と行徳にある2店舗のレイアウトは似て非なるところもありますが、共通して、図で青系の色で示した(L字の)売場が「切れ目なく」連なっており、来店客の動線をコントロールし、左上の売場奥までほぼ強制的に歩かせるようになっています。

さほど広い店ではないので、無理矢理歩かされているという感じはしませんでした。
入口から、青果(野菜・果物)、精肉、冷凍食品の売場をずっと見て歩くようなつくりです(鮮魚売場はワンウェイから解放された後にありました)。
このようなワンウェイ・コントロールのレイアウトを採用している店舗は、かつてのスーパーマーケットでは多く見られたはずですが、人々の食生活の変化や、「タイパ重視」と呼ばれるように、時間を有効に使いたいという価値観が広く浸透したことで、
- 生鮮食品を買わない顧客が増えた
- 買う予定の商品の売場に早く行きたい顧客が増えた
と考えられます。企業は、このような顧客の変化に対応することも重要で、スーパーマーケットでも、上の図のように長い通路があって売場がずっと続くのではなく、通路から内側に入れるようにする例は多く見られます。古い店舗が、階層のタイミングでレイアウトを大きく変えて、顧客の変化に対応する、という話はよく聴きますし、私もそのような事例をたくさん見てきました。
他方で、今回の買物体験は、私に、フロアレイアウトのイメージを描かせ、記事を書かせるほどの感銘を与えました。
生鮮離れ?短時間で買物を終えたい?そういうお客様は、他のお店で買物をしていただければと思います。うちの売りは、これ(青果、野菜、精肉・・・)です!じっくり売場を見て、満足のいくお買い物をしてください――と思っているかどうかわかりませんが、お店のそんな自信が感じられるレイアウトでした。
売り手視点か、買い手視点か。プロダクト・アウトか、マーケット・インか。どちらかだけがいつでも正しいというわけではありません。正しいかどうか、という判断も、見方によって異なってきます。短期的な売上で見るのか、それとも、長期的に醸成される顧客ロイヤルティなどで見ようとするのか。
お店を見て、あ、このお店の売りはこれなんだ、と、すぐにわかることは大事です。たとえ、その商品・カテゴリーを、自分が求めていなかったとしても。
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(余談)市川マーケティング研究所が今後やっていきたいこと
え?市川マーケティング研究所の売り、ですか?それは・・・・
この記事を読んでいただければ、少しはお分かりいただけるかもしれません。
正直なところ、まだ、当研究所の売りというものを自信を持って声高に謳うには至っていません。今は、様々なご相談をなるべくお聞きして、機会があれば様々な案件に関わるようにしている段階です。
市川マーケティング研究所が活動を始めてから、まもなく9か月です。おかげさまで、たくさんのご相談をいただいており、新しいチャレンジもできています。
今後、やっていきたいこととして挙げておきたいのは、何といっても、地元である市川市の企業様や団体様と一緒に「何か」を行うことです。これまでのところ、僅かな例を除いて、ほとんどできていません。が、いつでも取り組みたいという意欲は絶やさず持ち続けているので、拠点を市川市に置いている企業様や団体様で、マーケティング(及び、その周辺の領域)で課題をお持ちの方は、お気軽にご連絡ください。
お問い合わせは、以下のページからお願いいたします。