【おしらせ】食品メーカーのEC戦略とカゴメのD2C事例に関するコラムが公開されました

市川マーケティング研究所の鈴木は、forUSERS株式会社様が運営するブログ・メディアで記事を執筆しています。
ecAction(イーシーアクション):著者ページ
https://ecact.jp/author/suzuki/
2025年11月は、ecActionに4本の記事が公開されました。
- ライフネットスーパーの成長の軌跡と将来展望
- 「食品メーカーのEC戦略」メリット・デメリットとカゴメの取り組み
- トライアルが実現する「流通情報革命」:共創とDXで切り拓く小売の新時代
- 「食品メーカーのEC戦略」日清食品D2C事業の革新
既に、1については紹介しています。
本稿では、2のコラムを紹介します。
「食品メーカーのEC戦略」メリット・デメリットとカゴメの取り組み(2025.11.19)
このコラムでは、B2C事業――消費者向けの商品を製造・販売する事業――では、主に(というのは、売上に占める構成比が大きいという意味で)「卸売業者」や、食品スーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストアなどの「小売業者」を通じて消費者に届けている、「食品メーカー」に焦点を当てています。
卸や小売といった流通事業者を介して、消費者に商品を届ける流通経路(流通チャネル)は、冒頭の図(筆者作成)の左側3つ(1段階~3段階チャネル)です。多くの食品メーカーは、自社商品を、このような経路(チャネル)を通じて消費者に届けており、流通事業者の持つ「販売代理機能」を活用しているわけですね。
1段階以上のチャネルを活用することで、食品メーカーは自社商品を全国津々浦々の消費者に届けることができるという利点があります。ただし、小売店舗の店頭で自社商品を消費者にアピールしたくても、思うようにはそれができないことは少なくありません。というよりも、メーカーの管理が及ばないのが一般的です。メーカー各社は、少しでも自分たちが思うような商品アピールを店頭で実現できるように、小売業者の本部(商品部のバイヤー)に対して提案営業をし、更に、各店舗の売場で自社商品が想定通りに陳列されているかをモニタリングします。が、その労力は非常に大きいのが実情です。
こうした状況に風穴を開けるべく、自社ECサイトを立ち上げ、消費者に対して直接販売(直販)を行う食品メーカーも存在します。
今回のコラムでは、食品メーカーが自社ECサイトを通じて(0段階チャネルで)消費者に直接自社商品を販売することで得られるメリットと、考慮すべきデメリットを解説しています。
メーカーが流通業者を介して販売することの4つのメリット
- 広範囲に商品を届けやすい
- 需要創出や販売活動を代行してもらえる
- 在庫管理や物流の負担を軽減できる
- 販売リスクの一部を分散できる
メーカーが流通業者を介して販売することの4つのデメリット
- 流通マージンが発生し、利益率が下がる
- 消費者の購買行動や意識を直接把握しにくい
- 小売店頭には競合が多く、伝えたい情報を十分に伝えられない
- 新商品は小売店に必ずしも採用されず、販売機会が制約される
これらについて解説した上で、今回は、ケチャップなどのトマト調味料、野菜ジュースなどで知られるカゴメを取り上げ、自社ECサイト「健康直送便」で、店舗では扱っていない限定商品を販売する、その戦略と方法論を紐解いています。
カゴメ健康直送便のトップページ(PC版)
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「健康直送便」は、「お店では買えない特別なカゴメ」というコンセプトのもと、通信販売限定の商品をケース販売などで提供しています。取り扱いは少数精鋭で、2025年11月1日現在、販売期間外の商品を含めても約50品目にとどまっています。
カゴメは伝統ある有名ブランドを多数持ち、全国の小売店舗やECモールでも販売していますが、「健康直送便」で扱うのは限定商品です。そのため、消費者に販売する際には商品の説明が欠かせません。扱う品目数が少ないことにより、一品ごとに丁寧な説明を行うことが可能となっています。
出所:ecAction「『食品メーカーのEC戦略』メリット・デメリットとカゴメの取り組み」(公開日:2025年11月19日、閲覧日:2025年12月1日)
このコラムは、自社ECサイトでの販売によって得られる効果を4つ挙げています。
効果1. 流通マージンを削減できる
効果2. 消費者の購買行動や意識を把握できる
効果3. 商品を十分に訴求できる
効果4. 新商品の販売機会を確保できる
カゴメの「健康直送便」は、特に「効果3」を得ていると考えられます。ぜひ、記事をチェックしてみてください。
なお、「効果4」を享受している食品メーカーとして、日清食品を取り上げたコラムも公開されました。それについては、稿を改めて紹介します。

