【コラム】英LUSHがパレスチナへの連帯を示し店舗を閉鎖

冒頭の画像は、左のものがBBC、右のものが The Gardianのウェブサイトから引用したものです。
BBC「Lush shuts UK stores for a day to protest Gaza starvation」
https://www.bbc.com/news/articles/cn82ly74rk4o
The Gardian「Lush closes all its UK stores in protest over starvation in Gaza」
https://www.theguardian.com/business/2025/sep/03/lush-closes-all-its-uk-stores-in-protest-over-starvation-in-gaza
いずれも、英国のLUSH(日本にも出店している、鮮やかな色の石鹸などを販売する小売業者)の店舗の外観を写したものですが、よく見ると、同じポスターがガラス窓に貼られていることがわかります。
こんなデザインのポスターです。

https://weare.lush.com/lush-life/company-statements/standing-in-solidarity-with-gaza/
ポスターには、パレスチナの旗の色(赤、白、緑、黒)で、次の文言が書かれています。
- Stop starving Gaza (ガザを飢えさせるのを止めて)
- We are closed in solidarity (連帯のため、営業を停止しています)
これはどういうことかと言うと、「英LUSHがパレスチナへの連帯を示し店舗を閉鎖」(本稿のタイトル)したというわけです。
パレスチナのガザ地区で人為的に飢餓が引き起こされているひどい状況があります。この状況を止めたい、そのために、LUSHは、英国内の店舗の営業を9月3日の1日、停止しました(アイルランドの店舗も9月4日の1日は営業停止しました)。また、ウェブサイトでは英国政府に対して意見を表明しています。
LUSH(2025年9月3日)「Standing in Solidarity with Gaza」
https://weare.lush.com/lush-life/company-statements/standing-in-solidarity-with-gaza/
この記事で声明を発表しているので、是非、読んでみてください。こんなことが書かれています。
Lushは1日分の売上を失いますが、これは同時に英国政府にとっても、Lushおよびお客様からの税収が1日分減ることを意味します。私たちは、この閉店という行動を通じて伝わるメッセージを政府も受け止め、死と破壊を即座に止めるため、そして英国からの武器輸出を含めた行動の改善に向けて、さらなる政府の対応が求められることを願っています。
出所:LUSH(2025年9月3日)「Standing in Solidarity with Gaza」https://weare.lush.com/lush-life/company-statements/standing-in-solidarity-with-gaza/
※日本語訳は筆者による。
LUSHがおこなったように、(目先の売上の減少をいとわずに)ガザの人道危機に対して人権的な立場を表明し、武器輸出や暴力に対して倫理的に抗議することは、「人権アドボカシー活動」「倫理アドボカシー活動」と呼ばれることもあります。
ここでいう企業によるアドボカシー活動とは、単なる寄付(商品やサービスを提供する行為)やCSR活動にとどまらず、行動や発言を通じて「政策や社会の変化を促すこと」を意味します。
事業規模も影響力もLUSHとは比べものになりません。けれども、市川マーケティング研究所もまた、小さな声ではあっても、パレスチナの人々と痛みを分かち合い、連帯の想いを寄せています。