こんにちは。「市川マーケティング研究所」代表の鈴木雄高です。
雄高と書いて「ゆたか」と読みます。市川生まれ、市川育ちで、現在も市川市内で生活をしており、これまでに市川市の、鬼高、宝、富浜、南大野(五十音順)に住んだことがあります。
本稿では簡単に自己紹介をしたいと思います。こことは別に、私のこれまでの実績や経歴を紹介するページを設ける予定ですが、ここでも少しだけ過去に取り組んだ仕事について触れたいと思います。
私は、外資系IT企業の日本法人を経て、2004年にマーケティング・リサーチ業に従事して以来、様々な業界の企業・団体のマーケティングや営業活動を支援してきました。ご依頼主(企業や団体)の業界や売上規模などは多岐に渡り、支援内容や対象領域も――グローバルで事業を展開し、国内事業だけでも年間売上が数千億円にのぼるメーカーのコンサルティングもあれば、人口が減少する地方都市で小売店舗を営む個人事業主向けにマーケティング勉強会を行うこともある、といったように――多様なものでした。
約20年間、多くの企業・団体のマーケティングや営業のお手伝いをすることで培ったスキルやノウハウ、同僚や先輩後輩から学んだ多くの知見は、かけがえのないものだと実感しています。
これまでに携わった業務は多種多様なのですが、特に、マーケティング・リサーチには、長きに渡って、深く、様々な立場で※1関わりました。というわけで、少しだけ、マーケティング・リサーチとの関わりを書いておきます。
何といっても、数多く実施したのは、定量調査※2です。調査結果をデータ化し、分析することで課題を把握したり、お客様のニーズを明らかにしたり、対応すべき課題の優先順位を決めるなどの業務に日々取り組みました。
定量調査の中では、いわゆる「アンケート調査」の手法を多く用いました。実施方法には、店舗に来店したお客様に質問紙(アンケート用紙)に記載した質問に答えていただくものや、インターネット上に用意した質問ページに、パソコンやスマートフォンからアクセスしてもらって質問に答えていただくものがあります。
「アンケート調査」の質問や調査結果を目にする機会は少なくないと思います。それゆえ、調査票(質問票)を作るのはそれほど難しくないのではないか、と思われるかもしれません。しかし、マーケティング・リサーチで使用する調査票の作成には、専門的な知識や経験が必要で、調査票の出来が悪いと、回答者が答えづらい、想定していたような分析ができない、調査で把握したかったことを把握しきれないなど、失敗に終わるリスクがあります。調査の目的を明確化し、調査で得たデータをどのように分析するか、用いるグラフ表現までを想定した上で調査票を作る「調査設計」という工程が大変重要なのです。
また、数字では測れない、お客様の行動の背景にある心理、本音、インサイトと呼ばれるものを掴むため、定性調査※3も実施しました。
つい長々と記してしまいましたが、これ以上、調査手法や調査実施時の注意点に言及すると、本稿の主旨である「自己紹介」から離れる一方なので、この辺でこの話題は終わりにします。
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さて、組織の一員として、事業者のマーケティングを支援することを主たる業務としてきた私ですが、2023年末、一旦それに終止符を打ちました。そして、何をしていこうかと、時間をかけて、じっくり考えました。その結果、これまでの経験を通じて身につけたマーケティングに関する技術や知見を、生活拠点である千葉県の市川市や、その近隣地域※4で生かしてみようと決めました。
と書くと、力強く宣言したかのようにも思われるかもしれませんが、そうではなく、ずっと関わってきたマーケティングには今後も携わりたい、しかし、業界のトップランナーと呼ばれるような大企業向けのコンサルティングやリサーチには、これまでに数多く関わってきましたし、多くのリサーチ会社やコンサルティング会社、広告代理店がこれからも手掛けていくもので、私は、それよりも、地域で事業を行う企業や団体の課題に向き合って一緒に解決したい、あるいは、地域でテーマを見つけ、自主研究や共同研究を行いたい――徐々にそのような気持ちが高まってきた、というのが実際のところです。
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ところで、私は長年市川市に住んでいますが、2017年の夏までは、地域で活動をすることがほとんどなく、何人かの幼馴染みを除けば、地域で遊んだり語り合ったりする仲間もいませんでした。ベッドタウンとして今もなお人口が増え続ける、ここ市川市には、きっと同じような境遇の人が多いことと思います。
そんな私にとって大きな転機となったのは、同年の秋、「いちかわTMO講座」を受講したことでした。この講座は、市川市でまちづくりを行うリーダーを育成するために毎年開講されているもので、私は10期生として約半年間、まちづくりの知と技法を学びました※5。
この講座を受講したことで、市内に仲間ができはじめ、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが地球上を覆いつくしていた2020年、まちづくりを行うNPO「フリースタイル市川」を立ち上げました。
■特定非営利活動法人フリースタイル市川
https://fs-ichikawa.org
「フリースタイル市川」は、自らが活動主体となってアクションを起こすことに加え、地域で活動・生活・事業を行う、個人や団体、事業者同士をつなぐようなHUB(ハブ)機能を果たしてもいます。
講座の受講やNPOでの活動を通じて、たくさんの仲間ができました。また、まだ知り合ってはいないけれど、地域(市川市や、その他の地域)で想いを持って活動をしている人・団体が数えきれないほどいらっしゃいます。今後も新たに活動する人が登場することでしょう。
こうした人たちが抱える、主にはマーケティングに関する、しかし、必ずしもそれに留まらない課題を、「市川マーケティング研究所」が持つ、マーケティングのスキルやノウハウ、あるいは人的なネットワークを上手に使って、紐解いて、解消していくことができたなら、大変うれしく思います。
また、市川市内には大学をはじめ、様々な教育機関・研究機関があります。「市川マーケティング研究所」は、地域課題の解決に資するような研究に取り組みたいと考えているので、こんなテーマの研究を共同で行いたいというご提案、あるいは、取り組んでいる研究に対してアイデアが欲しいというご要望などがある方は、お気軽にお声掛けください。自主研究については、ある程度成果が得られた段階で取りまとめ、当サイトで発表する予定です。
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「自己紹介」と題して文章を書き始めましたが、当サイトを訪問していただいた方にとって益あるものになっているかと自問してみると、「そう思わない」と言わざるを得ません。つまり、「マーケティング的」に言えば、「顧客視点」を欠いた文章である、ということです。マーケティングを生業とする者が、こういう文章を書くのは、あまり良くないかもしれませんね。
では、悪いのかというと、そうとも言い切れないのがマーケティングの不思議なところです。この話は、今後、恐らく「コラム」で取り上げることになると思います(「マーケットイン」が正しく、「プロダクトアウト」は間違えっている、とは言えない――ということを書く予定です)。
「自己紹介」に類することは、
にも記したので、併せてお読みいただければ幸いです。
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〈注釈〉
※1:調査を自ら企画する立場、依頼者様が企画した調査を具体化して調査設計を行う立場など。
※2:質問紙を用いた面接調査や自記入調査、インターネット調査など。
※3:フォーカスグループインタビュー、デプスインタビュー、観察調査など。
※4:市川市や近隣地域を対象とするようなことを書きましたが、これらの地域に限定しているわけではなく、(市川市から見て)遠方であっても、あるいはインターネット上で事業を行っている場合であっても、対応可能です。
※5:2017年の秋から2018年の春にかけて、10期生として「いちかわTMO講座」を受講した後、更に学びを深めたい人に向けて開かれている「いちかわTMOアドバンス講座」にも参加しました。両講座を通じて私が企画を練り、発表したテーマは、「いちかわ情報ハブ構想」というものです。
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公開日:2024年9月2日
更新日:2024年12月2日